25年前の堀辺正史師範の映像を見た!

YouTubeに、テレビのトーク番組に出演されている40代後半の
堀辺正史師範の映像がアップされているのをたまたま見つけた。
『喧嘩の天才』として出演されているのだけど、第一印象でいきなり
「うわあ、かっこいい…」と思って見はじめたら、
その発言の数々に完全に魅了されてしまった。

パート1からパート5まで分割された映像だったのだけど、
あわせて1時間、すっかり時間を忘れた。
特に、「暴力」というものの本質について熱弁を奮われる「パート2」は、
2回くりかえして見てしまった。



「自分が命を張って、物事にかかわる精神というものを喧嘩という」

「自分より明らかに強いと思う者にぶつかっていくことによって、
生きるということの糧にしてきた。喧嘩は勝てばいいというものではない」


「先日、暴走族に注意をして殺された人がいた。
これはね、暴走族は明らかに『暴力』ですよ。なぜなら、そこに人間としての
誇りがまったくないからです。
しかし、もしその注意をした人が、なんらかの力を持っていて、相手の暴力を
取り押さえたとして…しかし、人間として許される範囲に自分が強くても、
とどめ置くだけの優しさというものを持っていたならば、(とどめを刺さずに
暴走族を許してやったならば)、これは『人間としての腕力の行使』なんです。
だから、『暴力』というものだけを見てはいけないんです。
その暴力というものを使うときに、その人間がどういう内面の心を持っていたか
ということなんです」


そこから、フランス革命や明治維新にまで話が及び、人間の持つ暴力性と
正義の定義について熱弁をふるわれていた。
「それでもやはり、暴力は悪なのでは?」という素朴な問いにも、よどみなく、
大きなやさしさに裏打ちされた強さと、ご自分の身体で体験して培われた
強さでもって、「喧嘩する心」や「武士道」について説かれていた。
堀辺師範の「体当たり」から悟った人生哲学の凄み、というものを感じ、
目が離せなくなる。
保存しておいて、また思い出したい時に見たいぐらいだ。


後半では、お弟子さんとの骨法の実演があったのだけど、
「懐にピストルを隠し持った相手が近づいてきた時の対処」とか
「手拭いで首を絞められそうになった時の対処」とか、
なかなかニッチな殺害シーンへの対処法をたくさん紹介されていて、
これがかなり面白かった。
仰向けのお弟子さんに馬乗りになって、手拭いで首を絞めながら、
「これで殺された人が一番多いんですよー!」
と笑顔で言いながら、首の締まらない方法、逃れる方法を伝授。
爆笑してしまった。

今は亡き堀辺正史師範の魅力に、すっかりはまってしまっている。
もっとお話をお伺いしたかったと、本当に思う。
来月は、ゴー宣道場で堀辺師範の追悼を行う。

 
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平成28年3月11日。


昨夜はやけに寒く、新宿2丁目は人通りもいつもより少なかった。
店を閉め帰宅の途についた深夜2時、2丁目最高齢のゲイバーのママ、
『洋ちゃん』に会った。もう81歳になるはずだ。
小雨のなか、店の外に、ぽつっと立っていた。
店じまいしようか、もう少し客足を待ってみようか、迷っていたのだろう。
洋ちゃんはいつも和服を着て、笑顔でいる。化粧も女装もしていない。

「洋ちゃん、おつかれさまです。今夜は寒くてだめですね」
「そうね。うちも閉めようかしら…でも、早いもんだね。もう5年よ、震災」

そう言って、店の看板をぼんやり見上げながら――「おつかれさん」。
洋ちゃんは、優しい笑顔をこちらに向け、見送ってくれた。
深夜のこの町の片隅にも、今日を想う人はいる。何気ない会話だった。


あっという間に月日が過ぎてゆく。
昨年は、たまたま原発被災地での仕事があり、福島の漁師町で
慰霊祭に参加したが、今日はいつも通りの日常だ。

震災後、福島県、宮城県、岩手県内で知り合った多くの友人も、
この5年でずいぶん生活が変化したようだ。
余震のなか、避難所で出会ったというあるカップルは、夫婦になった。
お互いひとりぼっちの状態で、不安な夜にたまたま隣り合ったのがきっかけ。
猫一匹が家族に加わり、楽しく暮らしているらしい。

一緒に福島の応急仮設団地、仙台、閖上、気仙沼と慰問イベントを開いて
回ったチームの団長は、今年も、消防士として殉職した親友の死に場所に、
タバコと酒を供えたそうだ。
「でも、もくれんさん、まあよく仮設団地であんなエッチな古事記を朗読
したもんだよねえ。おまぐわり、おまぐわりって響き渡って爆笑だったな」
お、おうよ……。
現在も、休日を利用して慰問イベント活動は継続中。

被災地へ本を寄付する活動でご一緒した仙台の喫茶店マスターは、
めでたく奥様との赤ちゃんが誕生し、すくすく成長。
当初は『店内写メ禁止』という割と硬派な喫茶店だったけれども、
今では子連れママが集まってサロンを開く店となり、その楽しい様子を、
写真で送って下さったりする。私まで笑顔になる。
奥様のご実家は、ご家族もろとも流されてしまったけれども、
生存された義父様と、新しく誕生した赤ちゃんとの並ぶお写真を見せて
下さり、「感慨深いものがある」と語っておられた。
写真のなかには、『ひとまず瓦礫撤去して、地均しした状態』という
「復興」とは程遠い景色も映りこんでいた。


現在も仮設住宅に暮らす被災者は、5万8000人。
特に、原発による被災者には苦しい日々がずっと続いている。
昨年末まで取材した双葉町、楢葉町も、「除染はされた」と言うものの、
町を往来するのはやはり原発関連の作業員ばかり…。
そう簡単に「家族で町に戻る」という気持ちにはなれないだろう。
朝日新聞が行った原発事故で避難した住民へのアンケートによると、
震災前にいた地域には「もう帰れないと思う」と回答した人が40%近くに
のぼっていた。
また、「避難先の地域の人たちと話をするようになったか」という問いには、
31%が「ほとんど話をしない」という。

ふるさとでない地方に溶け込むことは難しい。
東電からの賠償金を元手に、家を購入し、仮設暮らしを脱出した被災者は
多いが、この賠償を得たことで、津波被災地区の住民から、『不公平』との
理由で、心無い中傷を受けるケースが後を絶たないという。
壁に、スプレーで「被災者帰れ」と落書きされた光景には愕然とする。

避難民であることを隠し、肩身の狭い思いをしなければならない人々。
故郷を奪われ、孤立し、また新たな理不尽が降りかかる。
「ちょうど5年」「早5年」、そう表現はできる。
けれども、決して区切りは来ていない。
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そもそも総研の、平沢勝栄議員ヤジ釈明を見た。

「保育園落ちた日本死ね」ブログの答弁にヤジを飛ばした
自民党の平沢勝栄議員の釈明、今朝の『そもそも総研』ですね。
番組は15分弱に渡って、本人を前にかなり容赦ない追及を行い、
平沢議員は、終始、自己中心的な自己弁護をくりかえしていました。


まず、なぜヤジを飛ばしたのかという質問については、
あのブログのフリップ化自体に問題があったからだ(?)、と。
事前の委員会で、質問の際にあのブログをテレビに映るフリップに
使いたいという申し出があったが、

「出所が明らかでないものを出すと、誹謗中傷に使われやすい」
「『◎◎死ね』という言葉は、子供のいじめの場面に使われる言葉」
「国民の皆様にフリップで見せてはいけない」

という意味不明な理由で、フリップを却下。
しかしフリップは使用され、「与野党合議の委員会で出た結論だったのに、
自民党だけが次のように攻撃された」、と。

『都合の悪い声は徹底して却下する、都合の悪いことは徹底して隠す。
そういう安倍政権の体質の象徴だ』


まったくその通りだよね。ものすごく真っ当な批判だと思います。
しかし、平沢勝栄議員は、まるで「こっちが被害者なんですよ」とでも
言わんかのように説明しはじめ、

「自民党の名誉を傷つけられた」
「自民党にとっては大きな問題、内閣にとっても。」


という理由で、ヤジを飛ばしたのだそうです。
待機児童問題に苦しむ国民の訴えが沸騰しての国会答弁であるにも
関わらず、問題提議をまるで無視して、自民党と内閣の名誉を重大視し、
その結果が、ヤジ?
それ、完全に権力に狂った独裁者の思考回路ですよね。

そもそも、国会でフリップ化していただかなくとも、
あのブログが沸騰して話題になったのは、国民からなんですけど。
いまさら、「国民の皆様にお見せしてはいけない」?
「政権にとって都合が悪いから、見ないふりしなければいけない」
の言い間違いなのでは?

さらに平沢議員は、『日本死ね』という言葉にやたらと固執し、

「イジメのときに、『あんた死ね』ということがある。
『◎◎死ね』という言葉に市民権を与えるのは問題」


などと、本題から目をそらして素っ頓狂なことを言い出す始末。
それほどの強い言葉を使ってまで訴えなければならない現実が
あるということを、くみ取ろうとしない。
それでいて、厳しく追及されると、
「待機児童問題については深刻な問題だともちろん理解している」と。

『そもそも総研』では、あのブログを書いた本人に取材をしており、
ここで、次のようなコメントを発表した。
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「国会という国の方向性や予算等を決める大切な場で、
あのようなヤジが飛び交っていることに正直驚きました。
『誰が書いた』とか『中身のある議論をしろ』とか
その場を茶化す目的でしかないヤジが多数あったことに
国民としてはがっかりですね。
『うざーい』なんていうヤジもありましたがこれには呆れました。
そもそも答弁の最中にヤジは必要なのかな」
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私もそう思います。真っ当な意見だと思います。
本当に深刻な問題だと理解しているのなら、自民党の名誉がどうのと
下品なヤジを飛ばす前に、まずは質問を黙って聞けよ!

これを読み上げられている最中、へぇ、へぃ…と力なげに相槌を
打っていた平沢勝栄議員。しかし、コメントを求められると今度は、
もともとのブログを指さして、

「これ本当に女性の方が書いた文章ですかね?」

てめえ、いい加減にしろ!!
ヤジを批判するなら、ブログを書いた人間の言葉遣いも批判する?
ブログの執筆者が男性であったとしても、切実な訴えに変わりはない!
真意をくみ取れない、それほど致命的な読解力のなさがあるというなら、
国会議員なんかやってないで、小学校へ入りなおして国語の教科書読み直せ!

平沢勝栄議員は、今回、政権与党の「都合の悪い実態とは向き合わない」
「自分たちの名誉、自分たちの権力がなによりも大切で、国民はどうでもいい」
という、傲慢で卑劣でセコい体質を余すところなく見事に表現した
と言えます。


こんな人間に権力を握らせていたら、日本は終わります。
政治・社会問題 | - | -

わ、脇坂英理子って、あのときの病院のかっ!

診療報酬詐欺の脇坂英理子って、連行されていく映像では
全然気づかなかったけど、うちの近所のあの病院の院長ぢゃん!!
びっくりしたー。
1年半ほどまえ、帯状疱疹後の神経痛がひどくなり、聞きまわった結果、
「ペインクリニックというところに通って、麻酔系で痛みを緩和する
のが早い」と知り、近くのペインクリニックを検索したの。
出てきた病院のホームページアドレスをクリックしたら、女性向けの
ピンクのかわいいデザインで、『RICOクリニック』と。
中身を見ると、あらまあ、ずいぶん美人の女医だなあ…と。
それが脇坂英理子だったんだけど、本人によるメッセージが、

「Ricoクリニックのことはキライでもりこにゃんのことは
キライにならないでください (*・ω・)ノ」


これを見て、なんか変な医者やな……。
名前を調べたら、『毎晩ホストクラブに金を使いまくってまーす♥♥』
みたいな酔っぱらった映像がわんさか出てきて、別にホスト好きなのは
構わないし、自分で稼いだ金なら好きに使ったらいいと思うけど、
やっぱり見てしまうとね……正直、こんな人に頭下げて診察受けるのは
イヤやな、という気持ちになり、ブラウザを閉じたのだった。
受診してたら、私の保険証も詐欺行為に使われていたかもしれないな。
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きのうはMXTV『モーニングCROSS』でした。

きのうはMXTV『モーニングCROSS』でした。
オピニオンのコーナーは、待機児童問題について話しました。
本当は、先週までブログに書いた、「子供の遊び場が排除
されてしまった町づくりの問題」も原因ではないかと言いた
かったけれども時間が足りなかった。
それだけ指摘すべき箇所が多い問題なのだと思います。
でも、本当は、現在、子育てしていらっしゃる方が話される
のが一番適していると思います。
私は、2歳、3歳、確かに保育園に預けながらシングルで
働いた時期があったけれども、
現在はいろいろな事情で元夫に託しており、
あまり保育の問題を堂々と語るにはふさわしくない立場で、
憚られる気持ちが大きいです。
なんとか問題が解消されてほしいという気持ちでいっぱいです。

それにしても、エチエンヌ・バラールさんが紹介されていた
パリの駅弁、おいしそうだったなあ。
お腹がぐうぐう鳴るので、マイクで拾われたらどうしようと思った。

…いや、むしろマイクで拾われたらおいしいな、とひそかに
思ってたことをここに告白します。


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千躰子育地蔵尊

コロンと寝てしまって、気づいたら朝だった。
きょうは連載中の神話のしめきり。

兵庫県吹田市では、認可保育施設に2481人が入所申し込みし、
1018人の行き先が決まらず落選したそうだ。
役所には、赤ん坊を抱きかかえた母親たちが並び、
「どうやって育てていったらいいんですか!」と泣き叫んだり、
「明日、離婚します!」と語気を強める父親の姿もあったという。
離婚してシングルマザーになるから保育園に入れてくれ、
そうでなければ育てていけない、という懇願だ。
そこまでしなければならない現状、いったい日本はどうなっているんだろう。
明日のモーニングCROSSでも、保育園の問題を話すことになった。


きのうは、芝公園増上寺付近をすこし歩いた。
はじめて知ったけど、プリンスホテルって徳川の将軍たちの墓の上に
おっ建てちゃったホテルなんだね。
戦前の、増上寺境内図を見たら、徳川家の歴代将軍の霊廟や宝塔の
並んでいたその真上に、プリンスホテルがドカーンと割り込んでいる。

戦後のどさくさまぎれに、西武がなかば奪い取るような恰好で土地を手に
入れたんだそーだ。
いやー、西武、ごっついことするね。祟られるよお。あっ、もう祟られてるか…。
不動産を牛耳るのって、ほとんど鬼みたいにならなきゃできないってことだ。



増上寺の片隅に、たくさんのかわいいお地蔵さんの並ぶ場所があった。





『千躰子育地蔵尊』といって、安産祈願や子供の無事成長を願って、
多くの夫婦たちが寄進したものなのだそうだ。
奥にあるのは桜の木。今月末にはもっとかわいい風景になるだろう。
色とりどりの風車が風を受けてからからと回っていた。





赤い毛糸の帽子は、ひとつひとつ手編みなのだそうだ。





表情や、輪郭がほんとうにかわいらしく、子供の成長を願いながら、
慈しみながら、愛しながら一体一体、大切にお地蔵さんをつくったことが
伝わってくる。





このお地蔵さんたちは、赤ん坊を抱っこして「どう育てていけばいいんですか!」
と泣き叫ぶ母親たちの姿を、どんな気持ちで見つめているんだろう・・・。

さて、原稿にもどらなきゃー。


 
日誌 | - | -

3月8日(火)MX『モーニングCROSS』

今週は、3月8日(火)TOKYO MX『モーニングCROSS』
コメンテーターで出演します。朝7時から8時半までの生放送です。
http://s.mxtv.jp/morning_cross/

最近、気が付くたびに猫背を正すよう心掛けて生活している。
特に道を歩くときに猫背になっていたみたいだ。
たいてい、前を歩く人の足の形や歩幅を観察していたんだけど、
背筋を伸ばして歩くようになったら、顎が上がるので、視線も上がり、
通り過ぎる人々の表情がよく目に入るようになった。
観察してみると、町の人々は、一見、無表情でいるように見えて、
本当の無表情の人はあまりいない。
ちょっと怒ってたり、
ちょっと記憶をたどってたり、
ちょっとほくそ笑んでたりする。
おもしろいな。なんだか世界が変わったみたいだ。



 
泉美木蘭からのおしらせ | - | -

その3)待機児童問題「認可制度の歪み」「町づくりの欠陥」


前回のつづき。

保育園には種類がある。
「公立か、私立か」よりも「認可か、認可外か」に大きな違いがある。
そして、この『認可制度』そのものにも大きな問題があるように思う。


◎認可保育所
公立と私立がある。
国の定める施設の面積や職員数の基準を満たし、国や自治体から運営費が
出ているため保育料が安い。
公立も私立も保育料は同じで、どちらも自治体を通じて募集が行われる。
保育料は世帯の収入に応じて月額数千円程度から決められており、
平均値は、月額2ー4万円程度。



◎認可外(無認可)保育所
すべて民間の経営。
小規模運営で職員数が少ない、マンションを利用しており園庭がない等、
国の定める基準には満たない規模で保育を行う。
夜間・休日・長時間・泊まりの保育、病児保育、新生児保育など、
認可園にはできない、民間ならではのニーズに応えている。
園と直接契約し、保育料は認可園よりも格段に高く、月額7ー15万円程度。



設備面でも保育料の安さでも、認可保育所に預けたいのはやまやまだが、
公立の認可保育所だと、運営時間が完全に決まっているためお迎え時間の
融通が利かなかったり、0歳児の保育ができないなど欠点がある。
しかも、待機児童の多い都市部ほど、ニーズと合わないケースが多い。

・出産後は、なるべく早く働かなければならない
・休日や夜勤のある職業についている
・パートを掛け持ちして長時間働かなければならない

こういった理由で、認可保育所の保育時間だけでは間に合わず、
やむなく認可外保育所を選択したり、
日中は認可保育所、夕方からは認可外保育所と、二重保育で切り抜ける親
も少なくない。



待機児童問題では、「保育園を増やす」、「受け入れ定員を増やす」など
『数値の増加』だけが大きく叫ばれるけれども、
夜遅くまで働く親もいれば、休日にこそ働く親もおり、
現実には、家庭側のほうが『認可の基準から外れてしまうため、
本当に困っている家庭こそが莫大な保育料の負担を強いられる
という捻じれも生まれているのだ。


しかも、このようなニーズの受け皿となっている認可外保育所は、
非常に厳しい経営状況にある。

かつてお世話になった保育園は、0ー3歳児まで合計13名、
学習塾のスペースを利用した小さな認可外保育園で、
やはり認可園では間に合わないシングルマザーが非常に多かった。
園児数に見合った人数の保育士が揃い、土日も早朝7時から21時まで、
60代の園長先生は働き詰めの状態だった。
取材等で月10ー15日は延長保育をお願いし、保育料は月額8万円。
高いと感じるが・・・・・・しかし、これは、園の奉仕だった。
実際には、もっと多額の経費がかかっていたのだが、
これ以上母親たちに請求できないという、慈悲のような心で、
園長先生自らが赤字を抱えておられたのだ。
保育園は、当時の園児全員が巣立った直後、閉園してしまった。

「保育士の給料を支払って、家賃を払って、ほとんど手元に残らないのよ…。
期待に応えたかったけど、助成金も通らなくて、どうしても続けられなかったの」

園長先生の哀しげな表情は今でも忘れられない。
が・・・この園のようなケースは例外ではない。


厚労省の資料を読むと、平成26年度の認可外保育所の増減数は、
「施設の数は計 8,038 か所であり、前年から 99 か所増加している」
と書かれているが、よくよく内訳を見てみると、
「新設による増加」が707か所あるのに対して、「廃止・休止」が525か所もあった。
どれだけの人数の園児と母親が、不安定な立場に置かれたことだろう。
なぜここに税金が投入されないのか? まったく腹立たしい。

国の補助で運営される公立・私立の保育園を増やしたとしても、
現在、ニーズの受け皿となっている認可外保育所が閉鎖してゆけば、
『制度にまったく合致しない、本当の窮地に追い込まれた待機児童』
がどんどん増えてしまうのではないかとも考えられる。


待機児童問題を解決するならば、
「働く母親の闘い」という単純な見方ではなく、
保育園を必要とする親たちの、現実の就労状態をもっと正しく把握し、
現在の保育園の認可制度の歪みを、時代に沿ったものに見直すこと。
もっと税金を投入して、追い込まれた保育所を守ること。
そして、
地域住民を「子供のいる風景」へと引っ張るために、町づくりの設計を、
「個人の利益優先」から、「子供の居場所優先」に切り替えてゆけるように
一刻も早く舵を切ること。
こういったことに税金を投入することは、不確かな資産運用なんかよりも、
ずっと公共性が高く、未来への良質な投資になると思うのだけど。

私のような者が言うのは憚られますが、待機児童問題に思うこと、以上です。
 
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