プロヴォーク完全復刻ですって

 

日本写真史に燦然と輝きつつ稀少中の超稀少本になっている『プロヴォーク』が、全3巻揃いで完全復刻だって。

 

https://www.nitesha.com/?mode=f10

 

神保町の小宮山書店で95万円で売ってて、触れることすらままならなかったけど、たまたま三巻セットを入手した古書店・二手舎が復刻するんだそうだ。創刊が1968年だから、半世紀ぶりの復活ということね。アイララ本とかぶるなあ。半世紀前を再検討しよう、みたいな節目の流れがあるのかもしれない。

 

1968年って写真にしろ美術にしろ、なにかと企画展があるよね。今年9月〜11月にも、千葉市美術館で『1968年 激動の時代の美術』という企画展があって、そこにもアイララ本に登場する美術家の方の作品が展示されるそうなのだけど、千葉のあとは静岡、九州と巡回するそうだ。

 

とりあず『プロヴォーク』、予約注文した。けど、発売される頃、私、いまの家に住んでるのかね。

そして、同じ勢いで、森山大道『写真よさようなら』も完全復刻してほしいんですが。

 

先月、森山大道のB全ポスターをもらって、でも室内は貼るところがないし、キッチンだとべたべたになるし、仕方ないのでトイレの三浦大知を撤去してまで貼ったんだけど。ここ、日が当たるから嫌なんだよね。引っ越したら、とりあえずこのポスターを良きところに避難させたい。

 

日誌 | - | -

カットモデルをやってきた

今日は長年髪を切ってもらっている美容師の伊佐寛さん(美容室Overland)から、カットモデルを頼まれて出かけてきた。

 

海外から集まった美容師たちに2日間特別講習をするそうで、へえ、どんなもんだろうと思ったら、30人ぐらいが集まって、身を乗り出しながら伊佐さんのカット技術を学んでいて、熱気がすごかった。

 

集まった外国人美容師は、半分くらい「防弾少年団」みたいな髪型だった。やっぱ、アメリカで売れて超ド級のメジャーになったから、髪型もトレンドになってんのかなあ。

 

大勢にスマホとタブレットを向けられて、じろじろ真剣に見られながら髪を切るってのは、なかなかすごい体験だった。
シャンプーのときなんか、群衆に上からのぞき込まれていて、

「なにこれ、あたし、NASAに解剖されようとしてる宇宙人ですか?」

みたいな感じ。

 

伊佐さんが日本語で解説して、それを通訳する人がいるんだけど、なんだかみんな日本人と違ってすごく自由なんだよね。おのおのしゃべり出して、しまいに通訳の人も混じって勝手に盛り上がっちゃったりして。

 

芸人のザキヤマそっくりのお兄ちゃんが、伊佐さんがハサミを入れるたびに
「ビューティフォーーー! カワイイーーー!」
と声を上げて、こっちへ近づきながらスマホでばしゃばしゃ記録写真を撮っていくんだけど、私の後ろにまわって襟足を撮っていたと思ったら、にゅっと腕が前に伸びてきて、なぜか私との2ショットまで撮っていったのだった。
このザキヤマ似のお兄ちゃんは、わざわざ高いお金を払って日本まで講習を受けにやってきて、ハサミ持ってくるのを忘れたらしい。
ハサミのない美容師なんて、ボールのないサッカー選手と同じじゃないの!

 

なにやら、中国ではヘアカットの料金がものすごく安くて、美容師があまり儲からないらしい。日本で特別な技術とセンスを学んで、特別なヘアカットができる美容師になるしかないんだろうけど、とにかく学費に高額をつぎ込むというのが常識的な感覚で、髪型にはおカネをかけないという国なんだそうだ。
逆に、ニューヨークなんかは、カットだけで300ドル、なんてのが普通らしい。そこまで高いと困るなあと思っちゃうけど…。


伊佐さんには、20代のときからずっと「お任せ」で毎回サクサクいろんな髪型に仕上げてもらってきたけど、ハサミを入れる角度、髪のすき方ひとつにこんなに微細な計算があったのかと驚いた。
面白い体験だった。

日誌 | - | -

人間の尊厳を踏みにじる暑さに差別されている

まるでサウナだよ。24時間低温サウナだって。うちのアパート。死ぬって。
エアコン効かないもの! パソコンの挙動がおかしいけど、私の挙動もいつも以上におかしいもんね!
気狂い状態の中、ライジングは、また好きな写真家紹介したけど、こんなにマニアックな話にばかり走ってていいのかなぁ。

 

7月7日発売の『AiLARA 「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』は、Amazonへの登録がもう少しかかるらしく。
ネットで予約したいんだけど、という嬉しい問い合わせが届くのですが、この本と同時校了で美術館のカタログを作ってたような状態だったので、編集部もグルグルになって半分バターになってる状態でですね。固形物に戻るまでちょっと待っててね。

 

 

この本には、初回限定2,000部だけ金子國義のポスターがついてきます。
そしてなにしろ取材や写真提供にご協力下さった方々が多くて、献本冊数が並ではないので、読んでみたい方はぜひ買ってください。20年来の友達でも買ってください! よろしくお願いします。

 

新宿二丁目「アイララ」というお店の50周年記念で作った本ですが、明日7月3日(火)より、応援企画として、日頃アイララで行われるショーの写真を撮影されているフォトグラファーの方々が写真展を開催して下さいます。

 

写真展「アイララ劇場」In High!
7月3日(火)〜7月8日(日)13:00〜20:00

 

 

ギャラリー・ニエプス
http://niepce-tokyo.com/
東京都新宿区四谷4-10メイプル花上2F

 

ご興味のある方はぜひ足をお運びください。

 

7月7日(土)の発売日に写真展に足を運んで、そこから徒歩15分のアイララまで本を買いに行ってみるというコースもあるらしいんですよね。

以上、告知でした。

 

日誌 | - | -

泥棒日記

結局きのうも緊急対応で徹夜しなければならなくなってしまい、昼前にようやく終わって、仮眠していた。
蒸し暑さと睡眠不足が折り重なって、体がだるい。
でもこの週末は久しぶりに休めるみたいだ。

忙しすぎてまったくテレビのリモコンにすら触れていない状態が続いたので、時間ができたのに、テレビでなにかを確認するという習慣が消えてしまって、今日も結局つけなかった。浦島太郎になっちゃう。新聞読むからいいけどさ。

 

きのう、小林先生とみなぼんにアイララ本の巻頭カラーのゲラコピーを見せているときに、みなぼんが「キュレーターだね」とつぶやいたのがなんだか心に残っていて。
専門的な知識のある学芸員ではないけど、カジュアルに「これ、すっごくいいと思ってるの! ね、いいでしょ?」って、紹介するのは楽しいから、ブログでもライジングでもどんどん自分の趣味のものを出していこうかな、と思った。

 

生放送でタイトルだけ出てきて著者名が出てこなかった本は、ジャン・ジュネの『泥棒日記』だった。

 

 

「悪に身を捧げた者たちは、たとえ皆が皆美しくはないとしても、男性的美徳を備えている」

かっこいい文章がいっぱいの奇書だよ。

 

画家の金子國義は、アトリエを毎日植物でいっぱいにしていた人で、弟子たちがご近所からお花を拝借してくるのが心苦しくなって、これって犯罪なんじゃないかと案じた時、こう言い放ったんだって。

 

「花泥棒は泥棒ではない! ジャン・ジュネもそう言ってたわよ」

 

よくよく考えると、不道徳なものばかり紹介しているかも。

日誌 | - | -

アイララ本のカバーデザイン、これ!

生放送、お疲れさまでした。
ふーー、今日はひとつ通行手形をゲットした気分(謎)。

 

そして、こちらが・・・
7月7日発売『AiLARA 「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』のカバーデザインです。

 



金子國義画伯が、かつて制作したモノクロ作品に、手彩色を施した作品で、この彩色パターンはアイララのための一点ものでした。
(股間にハート、って、金子先生さすがでしょ)

 

アイララでは長年この絵をメニューリストのカバーにしていましたが、今回、Studio Kanekoさんと、浅葉克己デザイン室さんのご協力で、この本のカバーのために彩色を復元していただきました。

 

ロゴタイプ「AiLARA」は、いまから50年前、アイララが開店する際に、日本の広告・タイポグラフィの第一人者である、アートディレクターの浅葉克己さんがデザインしたものです。50年前のデザインが、いまでもアイララのネオンサインとして使われていて、そしてカッコイイ。

 

巻頭カラーでは、私がご紹介したくてたまらないかなり濃厚な作品たち、店のレコードコレクションがたくさん見られます。
なにやら、初版限定で買うとおまけがつくみたい? また詳しくは後日…。

 

帯をつけるとこんな感じ。

 

 

【登場する方々】
赤塚不二夫(漫画家)、浅葉克己(アートディレクター)、岩崎トヨコ(イラストレーター)、宇野亞喜良(挿絵画家)、金子國義(画家)、唐十郎(劇作家)、黒川紀章(建築家)、合田佐和子(画家)、沢渡朔(写真家)、椎根和(編集者)、篠山紀信(写真家)、澁澤龍彦(フランス文学者)、菅原光博(音楽写真家)、瀧口修造(美術評論家)、田名網敬一(現代美術家)、田村セツコ(イラストレーター)、タモリ(タレント)、西田敏行(俳優)、野田秀樹(劇作家)、長谷川和彦(映画監督)、森永博志(編集者)、吉田好男(編集者)、吉行淳之介(作家)、四谷シモン(人形作家)ほか

 

日誌 | - | -

脚注の鬼!

サッカーのことは完全にノーマークだったのに、なんだか日本が予想外に善戦してるってことで、昨夜は急遽、某サッカー選手のインタビューを頼まれて行ってきた。
運動能力があって、体格が良くて、スター選手で、顔がかっこよくて、さらに努力を惜しまなくて、頭が良くて、練習の合間に本まで熱心に読んでいるなんて、天が何物も与えた人がいるもんなんだなあ。

 

アイララ本校了のスケジュールが押し押しで、今朝も深夜4時まで、編集者と再々校のやりとりをやって、そして、一度寝て、5時45分には、新たな確認事項が届いて作業再開。なんとか今日の午前中に終わりそう。

 

今回の本、なにが大変って、脚注が!
原稿はさくさく短期間で書き上がったけど、登場人物にひとつひとつ脚注をつけていくのが本当に骨が折れた。でも、文学者や芸術家の名前、代表作とか、もうあまり知っている人が少ないようだから、「誰かが通訳しなきゃいけないんじゃないか?」ということで、やりました…。

 

名作の書影なんかも載せた。ちょっとした文学・芸術ガイドにもお使いいただけるでありましょう。ひっそりとコレクションしていた富士見ロマン文庫が役立つ日が来るとは…。

 


これとか、気に入ってるので額装して壁に掲げてる中の一枚。
ルーブル美術館の絵を彷彿とさせて、お好きな方多いんじゃないかしら。
金子國義画。


 

・・・と、このように懸命に金子先生に乗っかってビジュアルを提示しながら、本の宣伝をしている私の健気さよ!

 

『AiLARA 「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』は、アマゾンでも買えるようになるんだけど、なかなか予約登録が反映されないみたい(?) 一番最初にゲットできるのは7月7日(土)夜にアイララへ足を運ぶことだ、ということです。すごい横暴な店だよね。

日誌 | - | -

7月7日(土)発売のアイララ本

本棚がいっぱいになって、一度、処分しようとしてた古書の束、残しておいてよかった。70年代の『現代詩手帖』とか、『ユリイカ』『夜想』なんかがいますごく役立っている。
明日のライジングにも大活躍した。

 

父親の書斎から持ってきたものもあれば、自分で買ったもの、それから、むかし一緒に絶版本専門のオンライン書店をやっていたパートナーの遺品とか。60年代から70年代の芸術家に超絶詳しい男だったんだよね。
会えなくなった人からもいろんなこと教わってたのがよくわかった。もちろんいまも教わりつづけている。

 

 

『AiLARA 「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』
主要書店とAmazonなんかでも買えるんですが、印刷・搬入の都合で、7月7日(土)の晩にアイララに来店すると、一番最初にゲットできるみたいです。
しかもその日にお店に来ると、何人かの登場人物と会えるかもしれないらしいです。

太宰治の小説のモデルになった女性が営業してきた新宿の超有名文壇バー「風紋」さんが、今週木曜日でとうとう閉店するらしい。ママが90歳だというから仕方のない話だけど、文芸関係の人が集う店が消えていくのって、「時代」が終わっていくひとつの形なのかなと感じたりもする。
「アイララ」っていうのは、もともとは会員制でクリエイティブ関係の人しかいなかったんだけど、いまは誰でも入れる店になった。昔は、映画・演劇関係者が取っ組み合いの喧嘩をしてた場所だけど、今はそこまでしょっちゅう暴れん坊が出没するわけじゃないので大丈夫だ。

 


金子國義リトグラフ

 



サンバ、アラビック、トライバル、前衛ダンサーのショーを毎週やっている。
九州や北海道から、飛行機でお客さんがかけつけるようなスターダンサーも登場して、店内がダンサーを目指しているいい女でいっぱいになることがある。
おもしろそうでしょ。

日誌 | - | -

責了! 責了!

新宿二丁目本「AiLARA 『ナジャ』と『アイララ』の半世紀」(7月7日発売)、ようやっと責了紙を完成させて、編集長に引き渡してきた。

深夜まで店の奥でこつこつ赤字を入れていたら、酒乱で著名なO氏がやってきて、いつものようにしつこくまとわりついてくるので、平常時なら「ハイハイ〜」って流すんだけど、こっちは寝てなくてカリカリしてるし、あまりに頭にきたので蹴りを入れて追い出してしまった。

そうしたら、O氏は、驚いたのか、それともそれがなんだか良かったのか、その場に土下座して
「女王陛下、大変申し訳ござりませぬ!」
とか言いながら頭を下げていた。呂律がまわってなかったから、きっと忘れてるだろうけど。

酒乱の相手をするには、ひとつには、場馴れして、他人に“期待”するという心を一切捨てた境地と、そして、しっかりとした睡眠時間に支えられた穏やかな精神状態、この両方が必要不可欠なのだ。

O氏ってあちこちで酒乱を咎められて、出禁になったり、喧嘩してぶっ飛ばされたりしてるんだよね。いつだったか、近所の店のドアにオシッコひっかけて、店主に股間ひきちぎられそうになっていた。
もう飲める店がほとんどなくなってるから、教育的指導はするけど、なんだかんだ「あれはもう、しょうがないのよ」の一言で抱擁する雰囲気ができている。歴代スタッフのほぼ全員が、一度はO氏のこと殴ってるけど。

 



なんだかこの数日、テレビも新聞もあまり目を通す時間がなくて、浦島太郎状態だ。赤ペンとカカオ72%のチョコレートだけが私の友達だった。

写真左は、1974年の『ユリイカ』臨時増刊号(青土社)。
表紙は、女性ポートレート界の巨匠・沢渡朔さんが若き日に撮った『少女アリス』。
沢渡さんのインタビューももちろんあるし、一緒に戦後の写真界を牽引してきた大学からの親友・篠山紀信さんが語る沢渡さんの話も面白いよ。お楽しみに。

日誌 | - | -

昔ながらの編集者

どうしたらいいかわからないぐらい忙しくなっていて、応答無視したままのメールなんかがあって申し訳ないのにゃ。

7月7日発売の「AiLARA 『ナジャ』と『アイララ』の半世紀」に登場する方々は、ご高齢になるとメールでPDFのゲラを送って、確認していただく、というわけにはいかないこともあるので、茶封筒の原稿を持参したり引き取りに行ったりもするんだけど、やっぱり元編集者の方は、ゲラを見ると血が騒ぐようで、ものすごく丁寧に事実関係を調べて書き直して下さったりして、ありがたい半面、恐ろしい。

89歳の元中央公論編集者、吉田好男さんが一番緊張した。
だって戦後、日比谷のGHQへ原稿持って行って検閲のハンコもらったりしていた時代から編集畑で、純文学雑誌の編集長だったんだもの。

「とても上手くまとまっている、と、思うんだけれども……」


という前置きで、まずこの一行は必要ないよね? という感じで、いろいろご指導いただいた。はひー。
いまも現役で、六本木の事務所に出勤してお仕事されているんだけど、喫茶店で待ち合わせたときは、杖をついていらしたのに、帰るときは忘れてスタスタ歩いていっちゃって、私、あとから「好男さん、杖!」って持って追いかけたんだよね。
本当は杖いらないんじゃないですか、って聞いたら、「そういう噂もあるんだよな!」と笑っていた。
どうなっているんだ、一体。私は、“89歳のフリ”をしている人なんだろうと睨んでいる。

昨日はたまたま入った古書店で、加藤郁乎の超貴重本が数百円で投げ売りされていた。若い店員さんで、どうも価値がわからない様子だったので、黙ってその値段で買ってきた。
で、それを加藤郁乎の担当だった吉田好男さんに見せたら、
「いいの買ったね! 僕もそれ持ってないんだよ、2500円で売ってくれ」
と言われた。5倍増しでものすごくいい本買った気分になった。売らないけれど。

日誌 | - | -

毎日書いてるけど、近況

昨日は夜中3時ごろまでゲラのチェックと、写真の合成をやっていた。取材、執筆、掲載交渉、撮影、合成ってがんばりすぎだと思うよ。


最後の最後で金子國義画伯の一点ものの絵を復元する作業になって、カバーがなかなか見せられないのでちょっとずつ勝手にばらしていくけど・・・

 

時代を象徴してきた芸術家、挿画家、写真家、漫画家、建築家、映画監督、アートディレクター、俳優たちが、その「溜まり場」から自分たちの原点を語る“ごった煮”のような新宿二丁目本は、7月7日発売。

 

カバーデザインは、日本のタイポグラフィ制作の第一人者で、桑沢デザイン研究所第10代所長、アートディレクターの浅葉克己さん。
http://www.asaba-design.com/
(はじめてホームページで「玉すだれ」の動画を見たときは、なにをしてなさるんだろうとしばらく茫然としました)

 

浅葉さんって卓球台をブルーにした人で、福原愛ちゃんをはじめて中国へ連れていった人でもあるんだよね。
「ブルーの台で特許とっておけば、オリンピックのたびに儲かったのにー!」
なんておっしゃってるお洒落で面白いおじさまです。

日誌 | - | -