圧力かければ「理想」は得られるか?

今朝の東京新聞に、医大の女子減点の件を、
パターナリズムだと批判する投書がのっていた。
もちろん入試の方法として受験させておいて、
黙って勝手に点数操作するのは間違っていると思う。
ただ、
「女にはどうせできっこないんだからやめときなさい」
という、父権主義的な感覚で女子の入学を阻んだのだ
という理解は、現実とかけ離れていて、
思い込みが強すぎるんじゃないかと思う。
まず先に、男女の診療科目選択の分布が「理想形」に
ならなかったという現場の現実があるわけでしょう。

 

大学病院=「白い巨塔」=男の権力ヒエラルキー
みたいな世界だってたしかにあるだろう。
うちも父親が現役の教授だったとき、教授選が近づくと
医学部の先生がドラマのような政治的な動きをしている
という話をよく聞いたから、いろいろ渦巻いてるという
のは理解できる。

 

だけど、すべてその“ドラマのイメージ”に囚われて、
医師不足の現実の現場の様子、
皮膚科や眼科など人生計画を立てやすい職を選ぶ女医、
激務をこえて“酷務”みたいな働き方になっている割に
給料が安い勤務医、
赤字経営の病院の増加・・・
全国いつでもどこでも何度でも病院にかかれる日本の
優れた国民皆保険制度のために、ぎりぎりのバランスで
働いて回してくれている医者の現実をまずよく精査する
べきだと思う。

 

大学に圧力をかければ「理想」は実現するんだろうか?
「大学の意見を擁護する言説など『女性差別だ』と
罵って叩き潰してやるぞ」
という風潮ができて、具体性のある議論が行われなく
なるのが、一番公益から遠ざかると思う。

政治・社会問題 | - | -

本の宅配買い取り

本が増えすぎて、床に積み上がっていくまま片付かなくなり、新しく本棚を買い足すには間取りが足りないしで、古本の宅配買い取りというものを利用してみた。

 

ネットで申し込むと、まず空の段ボールが送られてきて、そこに詰めて、予約した日時に引き取りに来るのを待つんだけど…

 

詰めはじめてみると、「きっと二度と読まないけど一応この本は本棚に入れておきたい」みたいな所有欲が薄らいで、予定外の本もどんどん詰めて、段ボールが足りなくなってしまった。
買い取りセンターに電話すると、追加の段ボールは自前で用意してくれと言うので、近所のスーパーに山と積まれていたスポーツドリンクの空箱をもらってきて、また詰める、詰める。
最終的に全部で6箱になった。

 

線が引いてあったり、書き込みしてあったりで、買い取りに出せない本もいっぱいあって本棚は足りないんだけど、とりあえず許容範囲にはおさまった。

 

「バーコードのない本は買い取れません」と注意書きがあった。
もともと売るつもりなく大事にしている稲垣足穂、加藤郁乎、金子光晴なんかの昔の函入りの本はバーコードがついていない。
三島由紀夫はほとんど文庫だけど、「豊饒の海」だけフリーマーケットで見つけた村上芳正装丁のシリーズ。1冊100円×4冊で叩き売られてた。わざわざ箱に入った古い本なんか読む人いなくなってるから100円なのか、バーコードがない時代の本で簡単にネットで売れないから100円だったのか…どちらもだね。
詩集も作りがものすごく凝っていて、挿画もいいし、なんにしろ、もうこういう本が作られることはないというのが明らかだから、大事に持っていようと思う。

 

腰が痛い。
今日もまた注文した本が来ちゃう。

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みとり病院

寿命が妙に長くてなかなか死ねないまま
80代になって、とうとう病気にかかり、
でも自宅介護は家族に負担をかけるし、
かと言ってお金がたくさんあるわけでもない

 

そこで、
診療報酬が引き下げられてジリ貧で、
あちこち施設が老朽化していて、
医師も看護士も不足しているからなんだか行き届かないけど、
「とにかくあそこは安くて助かる」とご近所で評判の
終末医療専門のみとり病院に入院して

 

大部屋のベッドに横たわり、
管につながれながら、
ふと窓の外に目をやると、
そこには
不動産バブルが崩壊し、ゴースト化していたビルが
金持ち向けの介護付き高齢者向けタワーマンション
としてリニューアルされ、
優雅な貴族老人たちの終の棲家となり
そびえたっている

 

「あんな高い建物のおかげで、死に際に花火も見えないな」
そんなことをぼんやり思いながらの、
花火大会の夜
酷暑のなか、
ぼろぼろの病院のエアコンが壊れて、
熱中症で死ぬ。

 

そんな未来が、
この先どこにでも訪れる可能性があるんだよと
お知らせする事件かもしれませんね。

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ノーベル賞の謎…

ノーベル物理学賞やノーベル化学賞ってなんで男性ばかりなんだろう。
疑問すぎて、しばらく仕事の合間に研究論文をあさっていたんだけど、昨日、医学書専門店で、世界のトップ研究者たちがデータをもとに「なぜ数学や科学分野に女性が少ないのか」というテーマで論争している本を見つけた。

 

むかし流行った『話を聞かない男、地図が読めない女』的な切り口をもっと専門的にした本なのかなと思ったんだけど、これが……難しすぎてわけがわからんっ!

 

まだ全部読んでないから、前半に登場する数人の研究者の説だけど、「男は理系、女は文系」というイメージとは別に、数学や科学の領域のなかでも、男女それぞれに得意な思考、認知能力があるようだ。
そして、おおむね女子は平均点が高いけど、男子は最高得点から最低得点まで分布にばらつきがある。ここに、ノーベル賞の謎が関わってくるみたい。

 

もちろん「社会的に期待される役割」から影響を受けているところもあるし、やっぱり生物学的な性差もある。そして、特に後者の生物学的な性差について語る場合は、よほど前者の社会的影響を軽視せずに丁寧に語らないと、「女性蔑視」として炎上するというところも言及されていた。
読み終わったらまた整理して「ライジング」の連載に書きたい。全部読めたらだけど。

 

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カメラを止めるな!

まわりの人々がやたらとニヤニヤしながら「見ろ見ろ」と薦めてくるので、話題の低予算映画『カメラを止めるな!』を観てきた。

 


前半は、なんだこりゃ〜? と思いながら観てたのに、後半でそれが全部笑いにひっくり返っていく。めちゃくちゃ面白くて、しまいに笑いすぎて咳込んじゃったよ。
そして最後のエンドロールで、映画作りを本当に愛してる人が作ったんだなあと。


監督は映画監督めざして上京するなり、詐欺にあって借金ができ、一時期はホームレス同然になってた人らしい。
気の毒なんだけど、踏んだり蹴ったりの人が作る笑いって、めちゃおもしろい。

無名の役者ばかりが登場するんだけど、個人的に大阪弁のおばちゃんのキャラがすんごい印象に残った。あの顔と髪型のバランスはすごい。

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卒ウヨの記事に現役の方々から抗議が

幻冬舎plusから配信した「卒ウヨして僕が気づいた4のこと」がとてもたくさん読まれているようで、人気記事1位になったみたい。嬉しいな!
取材に応じて下さった森本さん(仮名)にお礼申し上げます。

 

現役ネトウヨ組の方々からいろいろクレームが届くんだけど、
「プロパガンダのつもりかもしれないが、意味ないぞ!」
とか、言ってることがよくわからなくて、
「『僕』とか書いてるけど、お前、女じゃないか!」
っていうのがツボにはまってしまった。
読まずに脊髄反射でいきり立っているのか、それとも破滅的に読解力がないのか、どちらかわからないけど……。
ほかにもいろいろ。
明日のライジングで珍クレーム集をまとめようかなあ?

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卒ウヨして僕が気づいた4のこと

幻冬舎plusで連載中の「オオカミ少女に気をつけろ」

ネトウヨシリーズ配信されました。

うっかりネトウヨ感染してしまった普通の会社員が語る自己分析。

 

卒ウヨして僕が気づいた4のこと

http://www.gentosha.jp/articles/-/11083

 

◎ネトウヨの頭の中ってどうなってるの?

◎ネトウヨの「リアリズム」てなに?

◎複雑怪奇な「現状認識」と「自己矛盾」

◎ネトウヨはこれからまだまだやってくる

 

泉美木蘭からのおしらせ | - | -

最低限度の生活

土曜日に手の人差し指の爪をカミソリで削いじゃって、キーボードを叩くたびに痛くて地味にストレス。
 

「健康で文化的な最低限度の生活」、無料見逃し配信っていうのがあって、最新話が見られるようになっていたから見た。
こういう動画再生で楽しむのが当たり前になってる若い世代は、「テレビは最初から見られないから、見ない」という感覚になっているのだそうだ。

 

うちのとなりのアパートは生活保護担保物件だけど、この猛暑でもエアコンがなくて窓を開け放している。3年ぐらい前に、アル中のおじさんが猛暑のなか孤独死して腐ってたことがあったけど、その部屋もいまだエアコンなしのまま、次の人が住んでいる。

ものすごく老朽化した風呂なしアパートだし、たぶん、大家が、もう建て直すなりなんなりしたいんだと思う。このあたりは古い家屋や店舗がどんどん取り壊されて、マンションになっている。

 

私は、朝は気温が上がる前、できれば6時ぐらいから洗濯機をまわしたいんだけど、そのとなりの開け放たれた窓とあまりに近接しているから、うるさいと思うんじゃないかなと考えて、8時すぎまで待ってからベランダに出るようにしている。

 

ところで、ドラマ見てたら、昔のことをものすごく思い出した。
風俗で働く女の子には、父親から性的虐待を受けたという人が何人もいた。あとは、家族が人殺しをして町から追い出されたとか。アル中の親から逃げ出したとか。
借金があって…なんてのは、稼げば終わるジャンルだから大したことないって感じ。

 

さめざめして病んでる人もいたけど、そういう人を「悲惨ぶっててなんになるわけ? うざいんだけど」と毛嫌いする擦れっ枯らしのほうが多かったかも。そしてものすごく稼いでた。
そういうのを「女は強いなあ」って賞賛するのは世間知らずな感じがするし、そもそも賞賛したところで誰も喜ばない世界だ。

自分は、人生の闇に触れてなにかを感じつつも、同情したってどうにもならなそうだし、「人の変態でも笑ってるしかないわ」みたいな感じだったけど……20年近く経って、いまはまた違う物語がたくさん見えている。
もちろん、いま関わっている場所で出会っている人々のことも。

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