オオカミ少女に気をつけろ!

幻冬舎plusで連載中の「フェイク」関連に特化した
泉美木蘭「オオカミ少女に気をつけろ!」、
第4回は、
「世界中で研究“オオカミに育てられた子”の実記は嘘だった…」




ライジングで連載したものから、さらに加筆し、
関係する文献も紹介しています。
一定期間は無料で読めるのでぜひお楽しみください。
担当編集のSさんがうまくて、これからさらに笑えるとこで
後編につなげてくれました。


「オオカミに育てられた子」は世界中に広まった話だけど、
一連の関係書は、いま読めば読むほどおもしろくて、



ライジング以降、重ねて加筆するたびに、また発見があり、
「人ってこういうところが落とし穴で、だまされるんだな…」
と気が付かされるものでもあります。
そして、
「人って変わらないんだな…自分ふくめて」
ということも。
幻冬舎plusに入稿したあとも、思い至ったことがあるので
そこは近いうちに別の形で出すことになるでしょう。
面白く読めるように構成しているので、どうぞお楽しみ下さい。

幻冬舎plus「オオカミ少女に気をつけろ!
ー欲望と世論とフェイクニュース」

 

Yahoo!ニュースでもお読みいただけます。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180411-00010074-gentosha-ent&p=4

 

もくれん探偵事務所は現在特別編成のフェイク特捜班が
活動していて、目下取材活動中。今日ももう行かんと。



 

泉美木蘭からのおしらせ | - | -

4.11東京地裁631号法廷にて

小川榮太郎氏が朝日新聞から訴えられた件で、
小川氏本人と花田紀凱編集長が、
この半月ほど、全力で
「初公判は4月11日午後2時、東京地裁」
「応援、傍聴よろしくお願いします」

って大盛り上がりで大宣伝しまくっていたから、



行ってきたんだよ、わざわざ霞が関まで。
仕事一本前倒しして予定空けて。
小川氏も「事前準備を全てすませた、万全の内容だ」という
すごい意気込みを書いていたので、よっぽど自信満々の陳述が
あるのだろうと。
小川氏擁護のネトウヨなんかは「今日で朝日新聞が終わる!」
とか騒いでいたし、いろんな意味で期待したわけですよ。

張り切った私とSさんは1時間前に地裁についちゃって。
荷物検査をクリアし、まだ誰もいない法廷の扉の前をうろつき、
そのまま廊下で1時間待って。
早めに来てる人々は記者らしく、みんな身軽な格好で、
キャンパスノートとボールペンだけを手に持っているから、
私も右見て、左見て、鞄からノートとペンを出してみたりして。

30分もすると、どんどこどんどこ人がやってきて、
後ろに長蛇の列ができていって。6、70人並んでたのかな?
妙齢の女性がぽつぽつ、ひとり未成年らしき子がいたけど、
ほとんどが「初老」「高齢」の男性なんよね。
『WiLL』『Hanada』の読者層ってこんな感じなんだなあ。
みんな「初公判」に意気込んでいて。

で、ようやく扉が開いて、私は最前列に座ったんだけど、
すごい人で、20人以上が重なって立ち見になったわけですよ。
その中に、花田編集長もいて。
「え、こっちが最前列に座ってるのに、当事者が立ち見やん」
って思ったりして。
そしたら、立ち見禁止ということで、その人たちは出されること
になり、要人への席の譲り合いなど、ちょっと騒然となって。
うわー、すごい貴重な傍聴席を確保してもうたーと。

で、いざ裁判官が入ってきて、起立、礼、着席したわけだけど、

ぜんぜん初公判じゃなくて。
いきなり2回目なわけですよ。


「被告(小川)から準備書面が提出されましたね、
 原告(朝日)はそれに対する反論をいつごろ出されます?」
「えーと、連休に入りますので5月末とか・・・」
「じゃあ、5月31日に提出ということで、次回は6月にしますか。
 みなさんご予定いかがでしょう。13日とかは?」
「13日? よいです」「よいですよ」「じゃあ、6月13日で」
「それから、傍聴人が多くて立ち見の方がいらっしゃるので、
次回から1階の大法廷で行いましょう。それでは、閉廷します」


へ、閉廷?

へえーーーーーーーーっ・・・!?

次回の予定を決めただけで、2分で終わりました。
傍聴席のあちこちから挙がる困惑の声。
「え、これだけ?」「えっ?」「え?」「えっ?」

なんだかまったく意味不明だけど、
とにかく裁判所1階の法廷検索マシンのところにおられた
案内の人によると「あ、これは初公判じゃないですね」
ということだけは判明。

なんだったんだ、あの小川氏とHanadaと花田編集長の
意気込み満々、全力の「4.11初公判」宣伝は!
こんな細かい情報までフェイクなんかーーーーい!

並んだ1時間を返せーーー!!
初傍聴で緊張して、一応ジャケットとか選んで着ていった
私のこのかしこまりを返せーーー!!
傍聴席確保したときの私の心のドヤ顔を返せーーー!!


現場での、一応の収穫。
被告の小川氏側に、喜多村洋一弁護士が座っていた。
薬害エイズの安部医師や、ロス疑惑の三浦被告を無罪にした人だ。

あと、ロビーで、裁判傍聴芸人の阿曽山大噴火を見た。
派手派手やった。これが一番盛り上がった。
ものすごくさっさと用事が終わったので、霞が関ぶらついて、
財務省と経産省と文科省の建物見学して帰ってきた。


 

日誌 | - | -

やっぱり首相ゴリ押し案件なんじゃないか

朝日新聞が今朝報じた加計学園に関する官邸訪問メモについて、
愛媛県知事が先ほど記者会見を開き、
「会議に参加した県職員が説明するために作成した備忘録」
として、存在を認めていた。

愛媛県、今治市、加計学園幹部が「首相官邸」に訪問し、
「首相秘書官」から言われた発言なんだから、
やっぱり首相が最初からゴリ押ししてたんじゃないか。


今朝の朝日新聞より

しかしすごいよね。

「本件は、首相案件となっており、内閣府藤原次長の公式の
ヒアリングを受けるという形で進めていただきたい」


「自治体がやらされモードではなく、
死ぬほど実現したいという意識を持つことが最低条件


死ぬほど実現したいと思ってやれ、と。
しかも、この官邸訪問は2015年4月のことだ。
安倍首相は、昨年7月24日の衆院予算委員会で、
腹心の友・加計孝太郎氏が今治市に獣医学部開設を申請している
ことをいつ知ったのかと聞かれて、
「今年(2017年)の1月20日の特区諮問会議で」
と答えていたが、やっぱり大嘘の虚偽答弁じゃないか。

信じられないよ、こんな事態を必死で擁護しようとする政治家なんて。


(国会議事録より)







 

政治・社会問題 | - | -

憲法の「伝統」と、「人間の尊厳」

幻冬舎plusの4月分の連載原稿を仕上げて、

ライジングの連載原稿もいまやっと終了。

12時間以上、椅子に座ってる。走りたい。

明日は取材だからちょっと睡眠不足解消に寝ないと。

 

日曜日のゴー宣道場は、山元一慶應義塾大学教授による、
「比較憲法学」から見た日本国憲法の課題について。

基調講演がとてもわかりやすく、かつ「もっと知りたい」という

思いを掻き立てられる内容で、とても勉強になった。

事前にご用意くださったレジュメのおかげで、
頭の整理がつけやすくて集中もできた。

 

特に憲法の前文については、ほとんど暗記用ポエムのような
感覚を刷り込まれてきていた人間なので、

そこに「建国の体」を綴るために「日本の伝統とは!」という
話が論じられていくというお話には驚き、反射的に

「そりゃ困ったなあ・・・」

という気分に。

 

「せっかく憲法を制定するのだから」みたいな感覚で、

「日本とは、このように素晴らしく歴史ある国なのだあ!」って

スターウォーズのタイトルロールのような壮大な物語を描かないと
気が済まないような厳めしい方々がいらっしゃるんだろうけど、

伝統って、決して「これが決定版」として書き残せるようなこと

ではないし、

明治の時代に恣意的に作られた「しきたり」「掟」としての

“伝統のようなもの”がそのまま因習化して、
現代の人をタコツボに押し込めたり、
女性を苦しめたりしている現実を見れば、

その時その時代の風潮だけに支えられている感覚を、

「憲法の前文」として掲げてしまうなんて、
随分手前勝手な自己顕示欲でしかないんじゃないかと思える。

しかも、「前文、俺が書きたい」とか出て来る人もいそうだ。

 

やっぱり現憲法の第一章が天皇条項であるように、

憲法の中身、構成そのものによって、「建国の体」を表現する
ほうが自然なのでは・・・。

 

「個人」か「人」かという質問から派生した、

ドイツ基本法の「人間の尊厳の不可侵」という論点については、

哲学的な議論がそこに眠っていたのだと知り、
もっとこんな議論ができたらと思うものがあった。

ドイツはナチスの反省があるだろうから、絶対不可侵の考えが
かなり強いのかなと思うけれど、

小人症の人を投げ合うゲーム「小人投げ」についての議論は、
本当に深くて、いろんな人が思いを馳せながら話し合えるところ
だと思った。

小人投げが、人間の尊厳を損なう行為なのか、
はたまた、小人本人が自由意思で投げられ、それによって生計を
立てる場合はどうなのか。
個人と社会倫理のせめぎ合いについては、簡単には決着がつかない。

この点に関して書かれた論文をいくつか見つけたので、
いま読んでいるところだ。

 

日本国憲法においても「個人」「人」という言葉一つに、

こういった、思考力と、人の心が試される議論があって

然るべきだろうと思う。

 

日誌 | - | -

脳内タスク管理が…

毎日新聞出版の「ゴー宣〈憲法〉道場」のゲラが届いて、
確認がてら復習したところ。
今朝は、東京新聞の読者投書欄で「立憲主義が貫徹できる憲法が
必要だ」という投書を読んだ。
すでに形骸化している条項が列挙してあったので、手元の本で
条文を改めて確認、勉強しなおさせてもらった。

マラソンでいきなり42.195kmは走れないのと同じで、最初は、
「憲法って途方もないな」というイメージだけがあったけど、
強い関心を持って何度も反復していくうちに、自分なりの理解が
進んで、思考力と発言力が身についていくものなんだと思う。
8日の道場、そして、5月3日の拡大版道場、気合いれていこう。


ところで、小林先生は「おぼっちゃまくん」から「ゴー宣」まで、
どのように頭を切り替えて同時に回していらっしゃるんだろ…。

私は3つのまったくジャンルの違う本の仕事で、現在頭が完全に
こんがらがっていて、24時間、常になにかに焦ってる。
これをやりながら、あれとそれのことが気がかりになってきて、
予定を落としてないか、ダブルブッキングになってないか、
ずっと脳みそが小鹿のように小刻みに震えてる状態だ。

幻冬舎から出す本で、あちこちへ取材に行くことになっていて、
担当のSさんにその調整と下見をしてもらいながら、
東洋経済のまじめな本の原稿をせっせと書きつつ、
夜になると、美術系の出版社で新宿二丁目の取材に出る。

昨夜は、金子國義と瀧口修造の絵の撮影と取材だったんだけど、
デザイナーのNさんが、絵を眺めながら、
「いまの若い人達って、この絵を見て、金子國義ってわからない
んじゃないかなあ…」
と切ない顔でつぶやいていた。
たとえ画家の名前がわからなくても、あの絵を見れば
「あ、なにか怪しい本の表紙で見た」と思うものだという感覚が
あったけど、本も手に取ったことがない人が増えている現代だと、
そもそも「絵」というものに馴染みがないかもしれないな。


 

瀧口修造の絵は、ずっと「先代のママのために贈られたものだ」
と聞いてはいたけど、やっと実物を見た。
アンドレ・ブルトンの著名な小説「ナジャ」の絵と、自身の詩を
合わせたシュルレアリズムなコラージュ作品だった。
こんなお洒落なものを贈られる女になりたい…。

 

でも、現実の今の私は、賞賛よりカネが必要、と思ってる。
はー…超リアル。しかし必死で生計を立ててるとこうなるよ…。
さ、夕方も混乱しながら燃えるで。

日誌 | - | -

東洋経済オンライン

幻冬舎plusで連載中のオオカミ少女に気をつけろ、

「AIが暴走したって本当?」の回、

東洋経済オンラインでも読めるようになってます。

ほかの取材記事もいろいろ書いてますので

どうぞお楽しみください。

 

「AI同士の会話が大暴走した」ニュースの真実
「終わりの始まり」って本当ですか
http://toyokeizai.net/articles/-/214077

 

 

昨日はいつもお世話になっている編集チームで

ちょっとした慰労会があったのだけど、

大きな会社って焼肉ひとつでも雰囲気が違って

面白いなぁ。

誰がトングを持って焼く係に徹するか、

誰が人のグラスを気にして注文をとる役割をするか、

部下が上司を、上司が部下を、男性が女性を、

お互いに忖度しすぎて、

上司がひっくり返したばかりの肉を、

後輩がすぐさまひっくり返してしまったり、

後輩と上司が同時に人の皿に肉を乗せてしまったり、

肉が常に右往左往する様子がおかしかった。

 

泉美木蘭からのおしらせ | - | -

今年の桜

東京、暑し。
先週は雪が降っていたのに、今日は半袖で窓を開けて仕事。

うちは目黒川が近くにあって、この時期は花見の人々で
駅での電車の乗り降りが超絶困難だったり、
コンビニに鬼のようなトイレ行列ができていたり、
いつもの喫茶店が混雑で打ち合わせ場所に使えなくなったり
けっこうな勢い。
やっぱりみんな、桜が好きなんだなあと思う。私も好き。














急激に暖かくなったからなのか、すでに蚊が発生していて
ズームで見ると、去年と違って花弁のあちこちに蚊が寝てた。
それを避けていったら、このように撮れる部分が減っていった…。







もう「春」というより、日向は「初夏」なんだよね。







太陽を浴びて、力いっぱい伸びる緑のなかで
「まだ春なのよおー!」とがんばる桜。













カモが水浴びしている目黒川の水面には、







すでに散り始めた桜の花弁が流れ、

地上の桜のトンネルがうつりこんでいて

とっても綺麗だった。
カメラをさかさまにすると、






「モネ的、桜吹雪」 Photo by MOKUREN IZUMI

いやー、今年はこの1枚が撮れたのでもう満足です。

 

写真―趣味の撮影 | - | -

憲法21条と、放送法と、首相と会食

政府は、高市早苗「電波停止」発言の際に、国連報告者から

「放送法撤廃」の特別勧告を受けたとき、すぐ跳ねのけたのに、

どうしてそれをいま、急に180度ひっくり返しているのか?
 

タイミング的に、やっぱり、官邸批判を鎮めるための脅迫手段
に使っているのではと思えてしまう。

読売と産経が声高に「民放解体」という言葉を発信していると
なんだか逆にあやしく思えてしまうのは、

私の良くない感覚かな……。

 

安倍首相が特にゴリ押ししていると報じられているし、
これじゃ、放送局トップは、ますます首相と会食したがるのでは?

 

高市前総務相が、放送法第4条「政治的に公平であること」を

根拠にして「電波停止」の可能性について言及したときは、

政府が、放送法よりも上位にある

憲法第21条「表現の自由」を理解していなかった

という大問題が指摘されて物議をかもした。

 

「政府批判ばかりにかまけていたら、権力は憲法なんか

違反して、おまえたち放送局を取り潰すぞ」

 

という意味合いになっていたからだ。

数日前、専門家の方からこの放送法の件について指南を得て、

「法解釈次第で政治的介入が可能にもなるような放送法は

本来は撤廃して、業界自身の倫理規定と、第三者機関の

チェックでバランスを保つべきだ」
という考えがあると聞いたのだけれども、

やっぱり、「憲法」を無視して政治的介入が成り立つ法律が

あり得るのかどうか、疑問が残った。


アメリカでは同様の「フェアネスドクトリン」が撤廃されて
いると言う人もいるけど、
そもそもケーブルテレビ主流で多チャンネル化している国と、
電波方式で数が少なく、なおかつ新聞と連動している日本と
では状況が違うと思う。
急激に自由化を推進した時、権力とカネを持つ者にたちまち
掌握されてしまわないか、価値の順列崩壊もふくめて、
状況を慎重に考えたほうがよいのでは…。
 

放送法は、「法律」だから「恣意的な法解釈」による問題が
起きてしまうのだろうけど、あれを定めた理由は、
《放送は国民文化に多大な影響を与えるものだから、
どんな政党・政府・団体・個人からも支配されることなく
自由独立のものにしなければならない》

という原則からだ。

 

だから本来、放送局の経営陣は、首相から会食に誘われたら、

「政治的公平の原則が崩れていく可能性がありますから」

と言って放送法を盾にしてでも断らなければならなかったと思う。

でもそれが崩れた。
ここは、メディア側の問題だと思う。
メディアトップに、本来あるべき矜持が失われているということだ。
そこに、組織全体の「忖度」という弱点も絡んでいくのだと思う。

メディアにおける公平・公正は、
「権力を監視する役割を果たす」ということだ。
政権批判と政権擁護をバランス配分して放送することではない。
 

今回の「安倍政権ゴリ押しで放送法撤廃」が聞こえてくると、

ますます首相に媚びを売れ、という方向に進みやしないか、

「首相と会食」が起こす影響の計り知れなさに目を向けている。

 

政治・社会問題 | - | -