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自民党本部が大量購入のインチキ本・その3

自民党本部が大量購入・配布中のインチキ本検証シリーズ、つづき。 

 

<これまで紹介したネトウヨ式トンデモ陰謀論>
・安倍首相、「人権」があるから答弁はぐらかしてOK!?
・森友学園問題は「朝日新聞のねつ造、仕掛け」!?
・森友に関係していたら「国会議員やめる」は安倍首相の美学!?



◆総理大臣夫人は「私人」?


昭恵夫人の言動を追及された政府は、「総理大臣夫人は、私人」という意味不明な理屈を閣議決定した。
このトンチンカンな閣議決定に、小川氏は優しく寄り添う。

総理大臣夫人は、公的な地位も職務権限もないのだから、公人ではない。しかし、純然たる私人でもない。国内での賓客をもてなしでも、首相の海外訪問への同行でも、公的な立場で行う。来賓で招かれれば、総理大臣夫人として紹介される。総理の代理のニュアンスを帯びるが、大概の場合、ファジーな存在であって、公人性を帯びた私人というのが穏当な位置づけであろう。

 

小川氏自身が、首相夫人がどれほど公人なのかを説明しているが、昭恵夫人は、「完全なる公人」である。

まず「公人」には二つの意味があると思っている。

 

(1)公務員など、公職につく人間。

(2)社会的な立場におかれている状態の個人。

 

(1)昭恵夫人には、外務省と経産省から専属の政府職員が5人も配属されており、各地での遊説に随行している辞令が出て就任しているわけではないが、「安倍内閣総理大臣夫人」という、夫人のなかでも最強に近い公的肩書きを掲げ、各地に税金から給料を支払われている人間を連れ歩いておいて、「私人」というのは通用しない。

クリアにしたいなら、職員を全員、民間から私的に雇い、すべて自腹で給料を支払わなければならない。
閣議決定は、あまりにも幼稚な屁理屈でしかない。

 

(2)おおやけの場に出て、なんらかの発言、発信、発表を行い、その名前や姿を多数の人に認識されていれば、その人は「公人」である。先に述べた(1)の意味合いでの「公人」は対義語が「私人」になるが、この意味合いでは、対義語は「一般人」だろう。芸能人が結婚発表して、「お相手は一般人のため非公表」ということがよくある。公開される人と伏せられる人、その差を、誰しも自然と理解しているはずだ。
 

昭恵のように、「内閣総理大臣夫人の安倍昭恵です」と言って、各地で、講演したり、対談したり、出版したり、海外の政府要職らとの食事会に招かれたりしていたら、「世界的な公人」である。
 

さんざん公的な場所で活動しておいて、都合が悪いときだけ
「安倍首相のお相手は、一般人のため非公表」
など言われて、誰が納得するのか?

 

しかも小川氏は、「昭恵私人論」の直後に、こんなことを綴っている。

首相夫人の肩書が付けば、普通なら巨大な防護壁の中に隔離され、権力と権威によって雲上人となる。名刺を通じることさえ難しく、面会に至っては極度に吟味される。…(中略)…天真爛漫な笑顔や誰にも垣根を設けない対人態度から、昭恵は天衣無縫で、あまり物を深く考えない人という印象でみられている。

 

首相夫人の肩書で、権力と権威によって“雲上人”となる、て! 

うんじょーびと! 公人を超えて、天に昇り、雲の上へ行ってしまったー!


首相夫人は、並みの公人を超越した、破格の公人、「天下の公人」だと小川氏みずから渾身の文言で説明してしまってるじゃないか。

 

あんたさっき、首相夫人=私人論ぶったばかりじゃないの…。

信じたいことだけを異常に信じ、信じたくないことはねじまげていく。そして陰謀論にはまった結果、人の脳内はこうして分裂してしまうのかもしれない。

 

(つづく)

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